フフッ😊どうかしら?
ショートストーリー
優希奈の特別な一枚
『フフッ😊どうかしら?』
「こんな感じ…似合ってるかな?」
鏡の前でドレスの裾を軽く持ち上げながら、優希奈は少し恥ずかしそうに微笑む。その姿は、10歳の少女とは思えないほど落ち着いた雰囲気を漂わせていた。
きっかけは昨年、家庭教師の先生が見せてくれた成人式の振袖の写真だった。先生の華やかな着物姿に魅了された優希奈は、写真をじっと見つめながら「キレイ…」と小さくつぶやいた。
それを聞いた両親が「そろそろ十歳(ととせ)の祝いも近いし、記念写真を撮らない?」と提案したのだ。優希奈はその話に大賛成した。
衣装合わせの日、
「これ、ゼッタイこっちのほうがいい!」
振袖の中からどれを選ぶのかとワクワクしていた両親に反して、優希奈は別のコーナーに目を奪われていた。そこに飾られていたのは、アニメのキャラクターをイメージしたドレス。繊細なフリルに大きなリボン、可愛らしいデザインが、まさに彼女の“推しキャラ”そのものだった。
「優希奈、それ振袖じゃないわよ?」
母親が眉をひそめて声をかける。
「うん、わかってる。でもこれがいいの!」
ドレスを抱えるようにして、優希奈は譲らない様子だ。
「せっかく十歳の記念なんだから、やっぱり振袖がいいんじゃない?先生みたいにきれいな着物姿、似合うと思うわよ」
母親の説得に、優希奈は一瞬だけ振袖を見つめた。でも、すぐに肩をすくめて、ドレスを抱きしめながらにっこり笑う。
「うーん、振袖もキレイだけどさ、先生が着てるからキレイなのかなって。私には、これが似合うと思うんだよね。」
その言葉に母親が少し戸惑うと、優希奈はドレスをくるっと揺らして続ける。
「だって、こっちのほうがゼッタイ、記念になると思うもん。」
「どうしてもそれ着たいの?」と母親が困ったように眉を上げると、優希奈は軽く肩をすくめながら言った。
「うん、特別な写真は特別な自分で撮りたいの!」
父親が笑いながら、「まあ、優希奈らしくていいんじゃないか」とフォローすると、母親も苦笑して「分かった。でも、振袖も撮るのよ」と条件をつけた。
「もちろん!振袖も似合っちゃうから安心して~!」
飄々とした優希奈の言葉に、母親もつい笑顔を見せる。こうして、優希奈らしい“特別”な写真を撮る準備が整った。
撮影本番、洋館風のセットに立った優希奈は、ドレスの裾を広げながらポーズを取る。プロのメイクにセットされた髪、そして自信に満ちた表情は、まさに彼女の“推しキャラ”そのものだった。
「ねえ、ママ。“特別な写真”になったかな?」
撮影が進む中で、優希奈はそう振り返る。母親は微笑みながら「ええ、とっても素敵よ」と頷いた。その表情は娘が選んだ“特別”を認める優しいものだった。
最後に、優希奈はカメラに向かってドレスの裾をふわりと広げ、決めポーズを取った。
「フフッ😊どうかしら?」
家族の笑い声に包まれながら、シャッターが切られる音が響く。こうして、優希奈の十歳(ととせ)の記念は、誰にも負けない“特別”な一枚として刻まれた。
プロフィール
名前: 優希奈(ゆきな)
年齢: 10歳(小学4年生)
誕生日: 8月15日
血液型: B型
性格:
- 落ち着きがありつつも、少しひょうきんでおしゃれ好きな性格。
- 自分の好きをしっかり持っていて、周りに流されない芯の強さがある。
- 物事を冷静に観察して、自分らしい意見を持つタイプだが、時々おちゃめな一言で大人を驚かせることも。
- 家庭教師の大学生のお姉さんが大好きで、いつか「こんなふうに大人っぽくなりたい!」と思っている。
趣味:
- アニメ鑑賞とキャラクターデザイン。推しキャラの衣装をノートにスケッチするのが大好き。
- ゲームも得意で、最近のお気に入りは推しキャラが活躍するストーリーRPG。
- 洋服のコーディネートにも興味があり、自分で髪型を工夫したり小物を選ぶのが得意。
好きなもの:
- 推しキャラのグッズ集め(特にリボンやフリルのあるデザインに目がない)。
- 可愛いもの全般。花柄やキラキラしたものに特に心を奪われる。
- 家族とのお出かけや落ち着いたカフェ。「ちょっと大人な雰囲気」が気に入っている。
嫌いなもの:
- 子ども扱いされること。「私だって考えがあるもん!」というのが口癖。
- 長時間の体育の授業(理由は「髪が乱れるし疲れるから」)。
家族構成:
- 父:優しいけどちょっと過保護気味。優希奈の独特なこだわりを温かく見守るタイプ。
- 母:しっかり者で優希奈とよく議論になるが、最後は娘の気持ちを尊重する。
将来の夢:
- 「ゲームやアニメのキャラをデザインする仕事がしたい!」と語る。推しキャラに感動をもらった経験から、自分も誰かの“特別”を作りたいと考えている。
優希奈からのメッセージ
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