まだぁ?😒早くしてよー
ショートストーリー
さよりに抜け目なし!
『まだぁ?😒早くしてよー』
さよりは、少し曇った顔で花壇のベンチに腰掛けていた。今日は以前から計画していた家族での動物園デー。お気に入りの白いパーカーとショートパンツで、動物たちに会えるのを朝から楽しみにしていた。
けれど、ここで問題発生だ。パパがトイレからなかなか出てこないのだ。時計を見るたびに増していく苛立ちを、隣でスマホをいじっているママにぶつけた。
「ねぇ、ママ。パパさ、どうしていつもこうなの?なんでトイレ行くのにこんな時間かかるの?」
さよりの声には、少し皮肉っぽいトーンが混じる。
「パパだって急いでるんじゃない?そんなに怒らなくてもいいでしょ。」
ママはスマホを見ながら軽く返事するが、さよりは納得いかない。
「でもさ、もう10分以上経ってるよ?あと30分でモルモットのふれあいタイム終わっちゃうんだよ!間に合わなかったらどうするの?」
さよりの目は真剣そのものだった。動物園のパンフレットを手に握りしめ、彼女はスケジュールを完璧に頭に入れていたのだ。
やっとのことでトイレから出てきたパパを見つけた瞬間、さよりはすっと立ち上がり、厳しい目つきでこう言った。
「遅い!動物園って、時間との勝負だってわかってる?これじゃ次のイベントに間に合わないかもしれないでしょ。」
「あ、悪い悪い。急いだんだけど、ちょっと混んでてさ…」
パパは苦笑いしながら言い訳をするが、さよりはここぞとばかりにパパに詰め寄る。
「じゃあ、そのお詫びに帰りにあそこのぬいぐるみショップで一番大きいの買ってくれるって約束してくれる…?」
さよりは腕を組んで、ちょっと上目づかいになりながら交渉を始めた。そのやり取りを見ていたママは、思わず吹き出す。
「はいはい、わかったよ。ちゃんと買ってあげるから機嫌直して。」
パパは苦笑しながら約束をし、さよりはその言葉を聞くと満足げに笑みを浮かべた。
「じゃあ、急ごう。次はゾウさんのエリアでしょ?」
先頭に立って歩き出すさより。その背中には、どこか頼もしさすら感じられる。両親は顔を見合わせて微笑み、「最近、ほんとしっかりしてきたなぁ」とこっそりつぶやく。
その日の帰り道、さよりは大きなライオンのぬいぐるみを両手に抱えながら、「また来ようね!」と嬉しそうに言った。パパもママも、その笑顔に自然と頬を緩めた。
プロフィール
名前: 水野 さより(みずの さより)
年齢:10歳(小学5年生)
性格:
・少し生意気で理論派。自分の意見をしっかり持っていて、納得がいかないことにははっきりと物申す。
・面倒見がよく、クラスでは友達から頼りにされるリーダー的存在。
・家族の中では、時々「大人っぽい」と褒められるけど、実は少し照れくさくて素直になれない。
・好奇心旺盛で、動物や自然について詳しい。動物図鑑を眺めるのが趣味の一つ。
趣味:
・動物の観察や図鑑を読むこと(特にキリンやネコ科の動物が好き)
・ジグソーパズルや手芸など、何かを作る作業に没頭するのも好き。
得意なこと:
・スケジュールを立てて物事を計画的に進めること。旅行の計画も率先してやりたがる。
・学校では図工と理科が得意で、実験やものづくりに目を輝かせる。
・家事の手伝い(特に料理)は積極的で、お手伝いをしながら家族との会話を楽しむ。
苦手なこと:
・気の長い待ち時間や、不確定なことに我慢するのが苦手。
・「子ども扱い」されるのが嫌で、大人たちの中で自分の意見を通そうと頑張るが、失敗して落ち込むこともある。
・運動はあまり得意ではなく、特に走るのが苦手。「体育のマラソンは憂鬱」と話している。
家族:
・父(和也/かずや)…おっとりしていて、どこか抜けている性格。さよりに「もう~パパはほんとに!」と小言を言われることもしばしば。でも、娘には甘い。
・母(美咲/みさき)…クールでしっかり者。さよりが頼りにしている存在。時々さよりの生意気な態度に「もう少し落ち着きなさい」と注意するが、その芯の強さを誇らしく思っている。
将来の夢:
動物に関わる仕事をしたいと思っていて、「獣医さん」や「動物園の飼育員」などを考えている。
さよりからのメッセージ
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