イタタ…😢あれ?なにこれ?
ショートストーリー
真綾と写真のひみつ
『イタタ…😢あれ?なにこれ?』
「よいしょ……んんっ!」
真綾は書斎の本棚の一番上にある本を取ろうとして、つま先立ちで腕を伸ばした。
でも、あと少しのところで届かない。
「ううーん……もうちょっと!」
力いっぱい背伸びをした瞬間――
ガタン!!
「あっ、わわっ!!」
次の瞬間、バランスを崩して真綾は尻餅をついた。
「イタタ…😢」とお尻をさすりながら周りを見回すと、本棚から何かが落ちている。
そこには、小さな四角い箱。
「ん? なにこれ?」
古びた箱を開けてみると、中にはたくさんの写真と、くしゃくしゃになった紙の束が入っていた。
写真を手に取ると、そこには見知らぬ女の子が写っている。
「誰だろう……?」
ぱらぱらとめくってみると、いろんな表情の女の子が映っていた。
笑っている写真、真剣な顔で何かを書いている写真、そして――どことなく見覚えのある顔。
そう思った瞬間、背後で ガチャッ とドアが開く音がした。
「どうした真綾!? 大丈夫か?」
書斎のドアを開けたお父さんが、心配そうに駆け寄る。
でも、真綾が手にした写真を見た瞬間、急に顔が強張った。
「……あっ」
「お父さん、この子、誰?」
お父さんはしばらく黙り込んだ後、小さくため息をついた。
「実はな……昔、この家に住んでいた家族に女の子がいたんだ」
「え?」
「その子はある日、突然行方不明になって、それっきり見つからなかったんだよ」
「……!!」
真綾は、ゾクッと寒気がした。
「で、でも……なんでお父さんがこの写真を持ってるの?」
お父さんは真綾の問いには答えずに、話を続ける。
「お前が成長するにつれて、この写真の女の子にだんだん似てきたんだ。だから、ちょっと怖くなってな……本棚に隠しておいたんだよ」
「…………」
言われてみると、写真の中の女の子は、確かに眼鏡を外した自分にそっくりだった。
手が震えて、写真を持つのも怖くなってくる。
「こ、これ、まさか……」
背筋が冷たくなった真綾の耳に、突然――
「ちょっと!変な嘘つかないで!真綾が怖がってるでしょ!!」
そこには書斎のドアの前に立つお母さんがいた。
「……え?」
お母さんは呆れた顔でお父さんを睨んでいる。
「その写真、私よ」
「え?」
「……えええええ!?!?!?!?!?」
真綾の声が書斎に響いた。
「だって、でも……えっ、お母さん!?」
「そうよ。これは私が子どもの頃の写真」
「ほら、よく見てみなさい。髪の毛の癖とか、口元とか、私そっくりでしょ?」
言われてみると、確かにお母さんの面影がある。
「なーんだ、そうだったのか……びっくりしたー!」
ほっと胸をなでおろす真綾。
そんな彼女を見て、お父さんは満足そうにニヤリと笑った。
「ははっ、驚いただろ?」
「……お父さん!もう、ひどいー!!」
真綾はぷくっと頬をふくらませた。
でも、その時ふと、床に落ちている紙の束が目に入る。
「……あれ? じゃあ、これは?」
手に取ったのは、手紙のように見えるくしゃくしゃの紙。
少し黄ばんだ紙には、古めかしい字がびっしり書かれている。
「これは何が書いてあるの?」
「あ、それは……!」
お父さんが慌てて手を伸ばそうとするが、お母さんは紙をちらっと見て、ニヤッと笑った。
「あら、懐かしいわね。これ、お父さんが高校生のときに私にくれたラブレターよ」
「…………え?」
真綾の顔が、ぽかーんと固まる。
「お、お母さん!! それは言わなくていいから!!」
「えー? ちょっと読んでみていい? 『真由子ちゃんへ いつも君の笑顔に救われています。僕の気持ちを伝えるのは恥ずかしいけど――』」
「わっ!ちょっと待った!!」
お父さんが慌てて飛びついてくる。
「ちょっ! 真綾、返しなさい!」
「えー、なんでー?いいじゃん♪」
「返せー!!!」
「やーだー!!」
書斎の中で、真綾とお父さんの追いかけっこが始まった。
その様子を見ながら、お母さんはくすくす笑っていた。
「ふふ、まったく……」
なんだかんだで、家族の秘密が詰まった小さな箱だったけれど、それはとても温かい思い出でもあったのだった。
プロフィール
基本情報
- 名前:真綾(まあや)
- 年齢:10歳(小学4年生)
- 血液型:O型
- 身長:138cm
- 家族構成:父、母、真綾(ひとりっ子)
- 住んでいる場所:少し古い広い家(書斎あり)
外見・服装
- 髪型:黒髪のポニーテール(すぐほどける)
- メガネ:普段はかけているが、家では外すことも多い
- 服装:カジュアルなパーカーやスカートを好む
性格
- 元気で好奇心旺盛で、気になることはすぐに調べたくなる
- 小さい頃から怖がりでホラーが苦手で、お父さんによくからかわれる
- 好奇心と負けず嫌いのせいで時々無茶をするが、へこたれない
好きなもの・趣味
- 読書が大好きでお父さんの書斎の本を借りて読むことも
- 推理ごっこをお父さんとするのが楽しい
- クッキーやシュークリームなどのおやつが大好物
苦手なもの
- 幽霊やホラー、特に怖い話を聞くと夜トイレに行けない
- 算数の計算問題や虫(イモムシは絶対NG)
口癖
- 「えーっ!?」
- 「なんでなんで?」
- 「うーん、納得いかない…!」
- 「ちょっと待って!気になる!」
- 「お父さん、ずるいー!」
家族との関係
- お父さんにはよくからかわれるが、なんだかんだで甘えてしまう
- お母さんはおっとりしているが、意外と芯が強く、お父さんの秘密をたくさん知っている
真綾からのメッセージ
【PR】お気に入りアイテム