AI 美少女小学生
杏里（9歳）

　朝から杏里はリビングでそわそわしていた。お気に入りの赤いコートにグレーのマフラーを巻き、白いソックスとスニーカーで完璧なコーディネートを仕上げた彼女は、ソファに腰かけて家族を待っている。「まだぁ～？もう準備できてるよー！」と声を張り上げながら、足をぶらぶらさせて急かす姿は、まるで早く遊びに行きたくてたまらない子犬のようだった。

今日は駅前に新しくできたショッピングモールの開店セール。杏里はこの日を楽しみにしていた。服や雑貨を見て回り、あわよくば「これかわいい！」と言ってママに買ってもらおうと、心の中でしっかり計画を練っていた。

ところが、出発しようとしたその時、ママがスマホを片手に「ちょっと待ってね」と言ったかと思うと、眉をひそめて「えっ…」とつぶやいた。「なに？」杏里が不安そうに問いかけると、ママが苦笑いを浮かべて言った。「ごめんね、杏里。モールのオープン、来週だったみたい。」

杏里の顔がみるみるうちに曇っていった。「えーっ！なんでー！」とソファに転がり込んで、ふてくされる。「もう準備したのに！」と顔をプクッとふくらませた杏里は、せっかくの楽しい気分を台無しにされたようで、ソファにゴロゴロと寝転んだ。

そんな杏里の肩をポンポンと軽く叩いたママが、少しだけ申し訳なさそうに言った。「ねえ杏里、今日は特別に、ママのアクセサリーを見てみない？」そう言いながら、ママは寝室にあるドレッサーを開けた。そこには、杏里がこれまで見たことのないママのアクセサリーがずらりと並んでいた。色とりどりのネックレス、大きな宝石がついたリング、キラキラと輝くブレスレット。「わあ、すごい！こんなのあったの！？」杏里の目が輝き始めた。

「つけてみる？」とママが声をかけると、杏里は飛びつくようにドレッサーに駆け寄った。真っ先に手に取ったのは、ママが結婚式用に買った一番高価なネックレス。「これがいい！」とキラキラした目でママを見つめる。「ちょっと待って、それは…！」と困惑するママをよそに、杏里は自分の首にそのネックレスをかけて、満足げな顔。

次に選んだのは、家族旅行で買った特別なイヤリング。さらに高価なブレスレットも合わせてつけた杏里は、満面の笑みで「どう？かわいいでしょ？」と得意げにポーズを決めた。ママは少し困りつつも、そんな杏里の姿に思わず笑顔になってしまった。「今日だけだからね」と、特別に許可を出し、杏里の一日限りのファッションショーが始まった。

リビングをランウェイに見立てて、杏里はおしゃれなポーズを次々と披露。パパがカメラで写真を撮り、「モデルさん、こっち向いて～！」と声をかけると、杏里は得意げに振り向き、さらに大胆なポーズをキメた。まるでショッピングモールに行くよりも楽しい一日になったかのようだった。

ショーが終わり、アクセサリーを片付けるママを手伝いながら、杏里はポツリと言った。「ねえ、来週のオープンの日も、これつけて行っていい？」その言葉にママは笑いながら首を横に振った。「それは特別な日だけよ。でも、またいつでも見せてあげるから。」杏里は少しだけ不満そうな顔をしたが、「じゃあ、またファッションショーやろうね！」と笑顔で言った。

モールには行けなかったけれど、家族で過ごした特別な一日は、杏里にとって最高の思い出になったのだった。